| 新たな内視鏡技術の導入により可能になった中・下咽頭領域の表在がんの診断と治療 |
| ○武藤 学1,2 吉田茂昭1 |
| 国立がんセンター東病院 1消化器内科 国立がんセンター研究所支所 2がん治療開発部 |
| 【背景】中・下咽頭領域は多くの消化器内視鏡医が検査の際に内視鏡を通過させているにも関わらず、早期癌の発見は極めて少ない。食道においては、ルゴール色素内視鏡を用いることで、異型上皮や内視鏡的粘膜切除術(EMR)で根治が望める表在がんの発見が可能であるが、中・下咽頭領域では、表在がん発見のための有効な検査法は存在しなかった。Narrow Band Imaging(NBI)は、狭帯域フィルターを用いた新しい内視鏡システムで、臓器表面の微細な構造を明瞭に観察することが出来る。これまでわれわれは、NBIシステムを用いることで中・下咽頭領域の表在がんの発見が可能であることを報告してきた。 【目的】NBIシステムで発見された中・下咽頭領域表在がんの特徴と治療成績を明らかにする。 【対象】’02年4月から’03年4月までに当院にてNBIシステムで発見され、全身麻酔下EMRが施行された中・下咽頭がん10症例21病変。 【結果】年齢中央値53歳(43-67)。男:女、9例:1例。食道がん合併:9例。食道内多発ヨード不染帯(multiple LVL)合併10例。頭頸部内多発がん:5例。病変の内訳は、右梨状陥凹:9、左梨状陥凹:7、後壁:2、輪状後壁:1、右被裂:1、左被裂:1。上皮下浸潤:5病変(24%)に認めたが、全例経過観察された。局所遺残は3例に認めたが、すべて再切除され観察期間は短いものの現在までに局所再発はない。被裂・梨状陥凹癒着を3例に認めたが、発声・嚥下等の機能障害は無かった。リンパ節再発を1例に認めたが、外科的切除後放射線照射が施行され無再発中である。 【結語】NBIシステムの導入により、これまで不可能だった中・下咽頭領域の表在がんに対する新しい診断・治療の分野が広がっていくものと期待される。 |
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